利用案内

◆ 飛騨市図書館館長より皆様へご挨拶 ◆





なぜ図書館があるのか。考えたことがありますか。
1円も利益にならない、そんなものがなぜ存在し得るのか。し続けられるのか。


戦後、1950年に制定された「図書館法」というものがあります。
この法律は、日本国憲法、教育基本法、社会教育法などの法体系の下に作られており
図書館の設置は義務ではなく、それぞれの自治体の判断に委ねられています。


図書館で本を読む自由は、
基本的人権のひとつである「知る権利」を持つすべての国民に、
さらには国籍や貧富の差、障がいの有無も一切関係なく
必要とする人にはだれにでも平等に与えられているものです。


この知る権利を持って、人は何を得るのか。
それを提供するのが図書館で働く司書の役割です。


民主主義社会を発展させるために必要な、意思決定ができる人をつくること。
意思決定するために必要な様々な情報、意見を収集し提供すること。
様々なメディアにアクセスできる環境を整え、またその系統的な調べ方について相談に乗ること。
個人の生涯学習を支え、課題解決能力を高めることでまちの発展に寄与すること。


本を読む力、正しい情報を選びそれを得る力をつけていくために、
誰もが赤ちゃんのうちに絵本にふれ、
成長段階とともに読む本を変えていく。
自ら手に取るその本の貸出と返却をくりかえし、生活を支え、学習する機会を得て、
もっと詳しい資料を、と求められた分野の専門書を選んで蔵書とする。
そうして作り上げられた、質の高い本が並んだ本棚を、
飛騨市民のためにカスタマイズされた本棚を作りたいのです。


飛騨市に図書館が存在するのは、このまちを維持し発展させる市民を育てるためです。
10年後、20年後、50年後の飛騨市のために。


そんな図書館のために必要な司書が今、足りません。


飛騨市では過去の古川町立図書館時代より専任司書を設けておりましたが、
正職員ではなく、嘱託職員、令和2年度からは会計年度任用職員となり
継続的な雇用ができない状況です。


図書館の命である蔵書を選ぶ作業、選書は司書にしかできません。
司書資格があれば良いというものではなく、
カウンターに立ち、このまちの人たちの利用傾向をつかんだり、
本棚を整頓、編集し、どんな本がどこにあるか把握する。
レファレンスを受け本や関係機関を使い調査研究する。
そしてなによりも、このまちに住み、このまちに根ざした人たちと交流を深める。
そんな日々の業務を繰り返し、この図書館の蔵書をより把握している一部の司書にしか
選書作業は行えないのです。


年数をかけて育てるべき専門職をみすみす手放し続けてきた過去は取り戻せませんが、
50年後の飛騨市図書館のため、すこし、お休みをください。
状況は簡単には変わりませんが、市民のみなさまの「本を自由に読む権利」を守るため
ご理解とご協力をお願いいたします。


令和2年3月 飛騨市図書館長 西倉幸子








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