飛騨市子どもの読書活動推進計画(平成28年2月)

はじめに

 子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていくうえで、欠くことのできないものです。
 しかし、近年子どもたちを取り巻く環境は、テレビ・ビデオ・インターネットなど様々な情報を容易に得ることができ、「読書離れ」の一つの要因となっています。
 また、別の要因として、幼児期の読書習慣の未形成などの理由によるもといわれており、特に「本を読む」うえで一番肝心な「言葉をもとに創造力を働かせ、内容を理解し、物語の展開についていく」ための力がないように思われます。
 明日を担う子どもたちが、小さいころから読書習慣を身につけるためには、あらゆる機会と場所において読書を楽しむことができる環境を整えていかなければなりません。
 そのために、「飛騨市子ども読書活動推進計画」をまとめました。


基本的な方針

 読書を通じて、子どもは読解力や想像力、思考力、表現力等を養うとともに、多くの知識を得たり、多様な文化を理解したりすることができます。また、書籍や新聞、図鑑などの資料を読み深めることを通じて、自ら学ぶ楽しさや知る喜びを体得し、更なる知的探究心や真理を求める態度が培われます。このため、子どもが自ら読書に親しみ読書習慣を身につけていけるよう、子どもの興味・関心を尊重しながら自主的な読書活動を推進することが重要です。
 また、読書は、子どもが自ら考え、自ら行動し、主体的な社会の形成に参画していくために必要な知識や教養を身につける重要な契機となります。特に生涯にわたって絶えず自発的に学ぼうとする習慣を身につけていくことは大変重要です。
 以上のような観点から、子どもの自主的な読書活動の重要性を踏まえて、その推進を図ります。

1子どもが読書を楽しむ機会の提供と、諸条件の整備・充実を図ります。
(1)乳幼児期から読書に親しむ環境をつくります。
(2)子どもの発達段階に応じて、子ども自身が読書の楽しさを知るようなきっかけをつくります。
(3)子どもが興味を持ち、感動した本などを身近なところに整え、自らの読書体験を他者に伝える機会をつくります。

2家庭、地域、学校を通じた社会全体での取組みを推進します。
(1)家庭、地域、学校がそれぞれ担うべき役割を果たしながら、子どもが読書に親しむ機会の充実を図ります。
(2)学校・図書館などの関係機関とボランティア団体などと連携、相互に協力を図りながら取組みを推進します。

3子どもの読書活動の意義や重要性について、広く理解と関心を深めることができるよう普及・啓発を図ります。
(1)家庭や図書館等において子どもに絵本などを読み聞かせたり、大人自らが読書したりする姿を示し、子どもの心を触発し、読書意欲を高めることに努めます。
(2)子どもを取り巻く大人、とりわけ保護者・教職員・保育士等が読書活動に理解と関心を持つよう努めます。


読書活動推進のための方策

1家庭・地域における読書活動の推進
(1)家庭における読書に親しむ習慣づくり
・幼児期の親子読書として、親による読み聞かせや子どもと一緒に読書をするなど読書の習慣づくりに努めます。
・身近な場所に絵本や児童図書などが置かれる環境を整えます。
・テレビやゲームの使用を制限するなど、読書に親しむため家族全員が心がけることのできる環境づくりに努めます。
・親子で図書館に出かける習慣づくりに努めます。
(2)子育てにかかる学習機会等を利用して、家庭での読書活動の啓発
・保健センターでの親子、また妊婦を対象にした啓発事業を実施します。
・公民館・子育て支援センター等での各種講座の活用による啓発に努めます。
・その他、各種の子育てにかかる学習機会を利用して家庭での読書活動の啓発に努めます。

2地域における読書活動の推進
(1)市立図書館における読書活動の推進
・幼児・児童への読書案内、読書相談について十分応えることができる専門職としての力量を有する図書館員を養成し、職員の研修機会の確保に努めます。
・絵本・紙芝居等を含む児童図書を一層充実することに努め、配架を工夫し古く痛みのある図書を積極的に更新するなど子どもたちの読書意欲が更に高まるよう努めます。
・子どもたちに読書の楽しさや面白さを知ってもらうことのできる催事を積極的に開催します。また、乳幼児の絵本との出会いづくりを意図するブックスタートを行います。
・遠隔地の子どもたちへの図書館サービスの充実に向け「移動図書館」を毎月実施し、図書に親しむ機会拡大に努めます。
・学校図書館との連携・協力の一層の強化を図り、子どもたちが発達段階に応じた図書を自ら選ぶ力を養います。

3学校教育等における読書活動の推進
(1)保育園においては、絵本等の児童図書の充実に努めるとともに、読み聞かせ活動等のカリキュラムの充実を図ります。また、図書館との連携により幼児期の読書習慣づくりに努めます。
(2)小学校・中学校においては、次の事項について拡大充実に努めます。
・各学校において、司書教諭を中心とした児童生徒の読書習慣の形成指導、読書案内・図書館利用等の指導に努めます。
・各学校に図書整理員を1人配置し、学校図書館の蔵書の充実と活用、また児童・生徒の発達段階に適した魅力ある図書の購入と配架に努めます。
・市立図書館との連携を図り、学校図書館の環境整備や読書案内情報の提供に努めます。


推進体制

1障がいのある子どもへの読書活動支援について、図書館を中心に必要な資料等の充実を図ると共に、期待に添う形態で資料提供活動の検討を進めます。
2本推進計画の達成に向けて飛騨市図書館運営基本計画 飛騨市図書館運営委員会委員を中心に、関係機関の担当者等で構成する委員会等を開催し検討していきます。

飛騨市子どもの読書活動推進計画(平成28年2月制定)(PDF)

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